抗菌コートは効果あるか?
抗菌コートとは
室内機の主に熱交換器に抗菌コート剤を噴霧して、防カビ・抗菌効果を狙ったものです。特にコロナ禍において、新型コロナウイルスを筆頭に、ウイルス自体を悪とみなす傾向が、テレビを始めとしたメディアの影響でありましたので、これがつけば安心と思い込み、業者を選ぶ基準にもなったかもしれません。
例えば格安業者が4社いたとして、どれにしようかな~って悩んでるとき、1社だけ「抗菌コート無料!」って謳っていたら、大抵の方はこちらを選択すると思います。
ただ、「くらしのマーケット」などのポータルサイトなどの、格安業者が集まるところでは、この「抗菌コート無料」が当たり前のようになっているので、逆に抗菌コートしないとこは大丈夫なの?って思れてる方もいるかもしれません。
まず、この抗菌コート剤は、噴霧する対象が綺麗になっていることとが条件なのですが、綺麗にするために、完全分解クリーニングか、それに近い状態で洗浄しなければならないのに、実態は「エアコンクリーニングとは?」の通りで、そうなっていません。
また施工後に、噴霧するエリアの水分が完全に乾燥していることも、効果を発揮する条件なのですが、暖房にして数時間使用しても水分を100%乾燥させることは不可能に近い中、夏場にエアコンクリーニング頼まれたら、あり得ない条件だということがわかると思います。
おまけにその効果はどこまであるのでしょうか?
抗菌コート剤のメーカーが謳っている持続効果は半年から1年です。
が、実際の感覚ではそんなにあるのかなって感じです。
その施工実態
ここに紹介している抗菌コート剤は、「横浜油脂工業 リンダ 防カビ抗菌コートプラス 2kg」ですが、1万円近くします。これに、抗菌コート剤を噴霧するためのスプレーヤーも必要です。壁掛けエアコンでは標準使用量が100~150mlと謳われているので、小さく見積もって20回分として、材料費だけで500円使います。
さらにきちんとやれば、これだけで1時間はかかります。
①施工するエリアを綺麗にする。←この時点でほとんど没落。
②完全に乾燥させる。←これもかなり厳しい。
③抗菌コート剤を噴霧する。←これだけは簡単。
④そこから夏場なら30分以上、冬場なら1時間以上乾燥させます。←これもかなり厳しい。
無料でやる業者さんは、この抗菌コートにプラス1時間もかけているのでしょうか?
もちろん答えはNOです。それならどうして無料でも対応するのか?
客寄せパンダの一つ・武器の一つということと、抗菌コート剤をかけることにより、臭い消し的な効果もあるらしいのです。なので無料にしてでも対応するということのようです。紹介した1万円のものは使ってないかもしれませんし、悪質なところはただの水をかけて、プラシーボ効果で騙してる業者もいるらしいです。
抗菌コートは必要か?
ここまで読まれたらおわかりの通り、洗浄後の室内機に抗菌コートは必要ありません。
お金と時間の無駄遣いです。
そもそもメーカーは、分解クリーニングこそ勧めるにしろ、そんな抗菌コートを勧めてはおりません。
もちろん当店でこの抗菌コートを勧めることはありません。
これも個人的感想ですが、悪い業者ほど抗菌コートを無料にしたり、有料の場合でもやたらと勧める傾向があります。