2004年の5月にアルバイトから始めて、エアコンの仕事に携わるようになり20年を超えました。
当初は外装カバーを外して、電装部品を養生して洗浄する「簡易分解クリーニング」だけで、2019年からファンまで外す徹底分解クリーニングを標準にしましたが、最初の頃はエアコンが汚れることに疑問を持つこともなく、依頼されたから洗浄するだけの意識でした。
それから、せっかく依頼してくれたのだから、綺麗が長く維持できる方法はないかと考え、冷房・除湿で発生する結露水によるカビを防ぐため
- 使い方(エコ設定がオススメ)
- 汚れの原因の説明
- 置かれている環境の影響排除
- 使用後の結露水の乾燥設定有効
をアドバイスしてきました。
そういった中、漆喰仕上げの土壁でのエアコンクリーニングをしているとき、気づきました。
湿気を吸収してくれる壁でもエアコンが汚れる状況はなんなのかと。
そこで日本の住環境におけるエアコンはどういう位置づけなのか?と考えました。
エアコンを使う背景
エアコンをなぜ使うのでしょうか?
日本は高温多湿です。赤道直下に住んでるような人たちが来ても、暑くてがまんできないというくらい、蒸し暑いんです。灼熱の暑さではないんです。
そのため先人は、この高温多湿の日本でいかに過ごしやすく生活できるかを考えていました。
吉田兼好の有名な言葉に「家のつくりようは夏をもって旨とすべし、冬はいかようにも過ごせるが、夏はどうしようもないので、住まいは夏の暑さ対策を基本に作ることが基本である」とあります。
そりゃ当然ですよね。昔はエアコンどころか、電気もなかったんですから、地球の力を借りるしかなかった。
なのに今は・・・。
エアコンがないとどうなる?
令和現代の夏場、湿気のこもりやすい住環境だらけの日本では、エアコンがないと蒸し暑くてとても部屋の中では生活できません。
最悪、熱中症で死にます。
夏場をエアコン無しで過ごそうと思えば、窓を開けて換気扇を回さないと過ごせないかもしれません。昨今、色んな理由で安全ではなくなりつつある中、戸建てはもちろん、2階以上の部屋でも、どんな悪いやつらが侵入してくるかわからず危険です。
ただし、熱中症対策はエアコンだけではありません。住環境だけでもありません。
もっと大きく考える必要があります。
エアコンを使うデメリット
意外と多い・・・。
- 取り付けできない場合がある(そのために大がかかりな工事が必要や、ガス管などを通す穴開けも、アスベスト(石綿)飛散防止のため、含まれている場合は高額な費用がかかります)
- 設置する壁の耐荷重がないと、エアコンが落ちてくる
- 購入・設置に加え定期的な分解クリーニング、電気代にお金がかかる
- 設計寿命は10年なので、定期的な買い替えが必要(かも)
- メーカー(機種)が多すぎて、選ぶのが大変
- 風を送るファンの音がうるさい(特に暖房運転時は室外機の音がうるさい)
- 部屋のデザインを悪くする
- 冷房・除湿を使用した際の結露水が、共用廊下やベランダを汚す(こけになって、滑って転んでけがの原因にもなる)
- その結露水がうまく流れないと逆流して室内を汚す
- 高気密の部屋で換気扇を使用すると、エアコン室内機の排水ホースから空気を吸ってしまうため、ぽこぽこ音がする
- 密閉された環境で使うので、酸素濃度が下がり病気の原因になる
- 密閉された環境で使うので、室内にある化学物質を循環させてしまい、病気の原因になる
- 室内機内部に侵入するほこりを防ぐフィルターは必ず汚れるので、フィルター掃除機能がついていても、定期的な手入れが必要
- (特に冷房・除湿を)使えば必ず汚れるので、定期的に分解クリーニングが必要
- 分解クリーニングにどの業者を選べばいいのか悩む
- 購入・設置・分解クリーニングに時間を拘束される
エアコンを使うメリット
- なんと言っても、リモコン一つ操作するだけで、あっという間に部屋が快適になる
- 夏場は熱中症対策の一つになる
- 密閉された環境で使うため、(窓を閉めてカギもかければ)防犯対策になる
- 昭和の頃に比べたら、購入費用も安くで済むようになった(6畳用のエアコンが4万円しないで買える)
色々書きましたが、やはり窓を開けて新鮮な風が入ってきて、安全な地域でない限り、(現代のほとんどの住環境には)エアコンは必要です。そのためには適切なメンテナンス(分解クリーニング)が必要なのです。