エアコンを購入する前に
- 本当にエアコンが必要なのか?
- エアコンじゃないとダメなのか?
などを検討した上で、やはりエアコンが必要だとなったら、エアコンを購入して設置となるわけです。
このことを冒頭に書いたのは、エアコンは冷房・除湿を使う限り、程度の差はあれ、結露水により必ず室内機内部が汚れるので、使わなくてすむならそれが一番いいと思っています。
ワタクシはエアコンクリーニングを主な仕事としており、エアコンという存在があるおかげで生活できています。
ですが、日本の住環境におけるエアコンというポジションは、(リモコン一つの操作で、部屋の温度・湿度環境が快適になる反面)結露水により必ず室内機内部が汚れるので、定期的な分解クリーニングが必要、それを怠るとカビを撒き散らす厄介者になる可能性があるため、ワタクシの中では必要悪だと考えています。
なので、設置しなくてすむなら、それがいいのです。
ただし、昭和の頃のエアコンが高くて買えなかった時代と比べて、初期費用は安くすむようになったと同時に、地球温暖化と言われる現象(これは賛否両論あり、地球温暖化はないんだとか、デマだとかの意見もあります)や、排気ガスやPM2.5に加え香害と呼ばれるいわゆる化学汚染物質、さらに治安の悪化(残念ながらこれから先は日本人以外の人がどんどん増えてきますので、どうしても文化や習慣の違いで、今まで以上にいろんなトラブルが増えます)により窓を開けっ放しにして寝るなんてことは不可能に近くなってきつつあります。
となると、余計にエアコンの世話にならざるをえません。
長くなりましたが、本題に移ります。
エアコンも各社メーカー、いろんな種類がありますので、どれを選べばいいかわからないという方のために、エアコンクリーニング歴20年以上のワタクシがおすすめするポイントをいくつか教えます。
冷房専用エアコンはおすすめしない
冷房専用(今のところコロナ社のみ販売)ですと、冷房・除湿の後に内部を熱で乾燥させることができないため(送風の常温乾燥は可能)、内部のカビ抑制防止ができません。
暖房をあまり使わない場合でも、内部のカビ抑制防止のためには、冷暖房のエアコンを選びます。

冷暖房付きエアコンでもこんな感じになります。
暖房はあまり重視しない
暖房は冬の寒い時期に使いますが、冬は湿度が低いため、暖房を使うとさらに湿度が下がり、加湿器と併用じゃないと喉を痛めます。安全の部分では懸念点もありますが、昔ながらのストーブにやかん(加湿される)がよかったのです。
参考サイト:「暖房をつけると喉が痛い!今すぐ実践できる喉に優しい対策方法10選!_エアコン買取王」
安いエアコンを選ぶ
エアコンの設計寿命は10年ですので、10年経ったら買い替えする場合もあります。なのに、高いエアコン(大体多機能)を買ってしまうと、もったないから長く修理して使おうとなり、結果的に高くつく可能性もあります。
エアコンを選ぶ基準の一つに畳数がありますが、これすきま風がぴゅーぴゅー吹いていた昭和35年から変わっていません。そのため6畳用はよしとしても、30畳に30畳用エアコンは過剰スペックだという意見もあります。
参考サイト:「大東住宅株式会社» Blog Archive » エアコンの基準は57年間変わっていない?」
そもそも多機能なエアコンで、お金を足してでもあったほうがいい機能(フィルター掃除機能、凍結洗浄、ファンロボ、暖房加湿機能=うるさら、なんとかクラスター、なんとかイオンなどなど)の効果は期待できません。

こちらは凍結洗浄がついた、ファンロボもついた機種です。
分解クリーニングしやすい機種を選ぶ
分解クリーニングしやすい機種を選べって言ったってわからないよという声、ごもっともです。
繰り返しになりますが、エアコンは冷房・除湿を使う限り、程度の差はあれ、結露水により必ず室内機内部がカビ的汚れるので、定期的な分解クリーニングがどうしても必要です。
単純な冷暖房だけのエアコンなら分解もしやすく、逆に汚れもつきづらいのですが、多機能なエアコンは効果のほどはよくわからないのに、いろんな問題が起きやすくなります。
例えばフィルター掃除機能は、物理的にフィルター上の埃を何らかの形で接触してそれを回収していくという動作が増えるため、故障率も上がります。シャープのエアコンはフィルターを検知しないと、冷暖房という基本の動作もしないという機種があるため厄介です。
フィルター掃除機能などという複雑な機能がついていても、定期的にフィルターの掃除が必要なのに
- 脚立に載っての作業ができない
- 下手に触ったら壊すのではないか?(実際壊す方もいます)
さらに、多機能なエアコンは、分解クリーニングする業者のレベルが低いと
- エアコンを壊してしまう
- きちんと汚れを落としきれない
- 逆に汚れを内部に飛ばしてしまい、においがひどくなる
ことがあります。そのくせ、クリーニング代は高額で、しかも保証もなしという最悪なケースも。

こちらは数あるフィルター掃除機能の中でも、フィルター上のほこりを吸って外に出すという、とあるメーカーの最悪な機種なのですが、このような状態を見て、「いやぁさすが日本のメーカーだ。フィルター掃除機能はちゃんと機能してますね」と思えますか?

こちらは油が付着しやすい環境にあったエアコンです。
油が付着すると、プラスチックは割れやすくなり、結果寿命も短くなります。
ですので、キッチンへのエアコン設置はおすすめしませんし、家の中での焼肉やお好み焼きなどもおすすめしません。

こちら↑は単純に手入れを怠っていたケースです。
省エネ基準で選ばない
と言っても、2027年からは省エネ基準をクリアしていないエアコンは販売できなくなるため、必然的に2027年からは省エネエアコンを選ぶことになりますが、現時点で省エネエアコンとは多機能エアコンと同義です。
ですので、現時点では販売店の言うがままに、省エネ基準でエアコンを選ばないことです。販売店やメーカーは、どうしても買ってくれるお客様よりも自社の利益重視です。これはある意味仕方ことないです。
前述のように、多機能エアコンは選ばない方がいいのですが、今後はどうなるのかわかりません。
参考サイト:「【緊急特集】格安エアコンがなくなる?直面する「2027年問題」を解説|㈱千代田商事住設サービス」
アフターフォローサービス充実しているメーカーを選ぶ
エアコンメーカーと言えば
- コロナ
- シャープ
- ダイキン
- 東芝
- パナソニック
- 日立
- 富士通ゼネラル
- 三菱電機
- 三菱重工
大きなところではこういうところです。
こちらでは作業前に試運転をして
- 設計寿命以内
- 冷暖房が問題なく使える
- 送風ファン動作時に異音がしない
ことを前提に分解クリーニングをするのですが、まれに大きな故障ではないが部品を代えたほうがいいレベル(例えば送風ファン動作時に異音がする、上下羽根、左右羽根ルーバーが正常に動作しないなど)に遭遇します。
こちらで室内機の分解クリーニングする場合は、ほとんどの部品を外すため、結果的に部品交換と同じ作業をすることになります。ですので、その問題がある部品をこちらで入手できると、お客様の負担は部品代だけですむのですが、その部品を入手しやすい(さらにそこまで部品代が高くない)メーカーとそうじゃないメーカーがあります。当然しやすいメーカーがいいことになります。
さらに長年の経験から故障の多い・汚れがつきやすい・分解がしづらいメーカー、機種というのもわかってきています。そういう中で選ぶと下記のメーカーになります。
- ダイキン
- パナソニック
- 富士通ゼネラル
- 三菱電機
いずれも複雑な機能のついてない、その中でも初期費用を抑えたエアコンを選ぶことをおすすめします。