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【解説】ドレンポンプキット・クリーニング

エアコン(室内機)からの排水は、いくつかの方式があります。

  1. (上部から下部に流れる)自然勾配排水・・・壁掛けタイプはほとんどこれ
  2. ドレンアップキットによる排水・・・勾配の取れる高さまで排水を持ち上げて、後は自然勾配排水
  3. ドレンポンプキットによる排水・・・出口まで圧送するので、勾配が取れないところでも対応可能


参考:ドレン排水の救世主!ドレンアップキットとドレンポンプキットの使い分け – 空調施工の現場

今回はそのうちのドレンポンプキットのクリーニングの様子を解説します。

きっかけは、天吊型業務用エアコン(美容室で稼働)の排水が、このキットを通しても正常に動作せず、水漏れを起こしたことです。なお、作業前には水漏れは止まっており、中を開けての確認でもポンプは正常に動作して、水位は下がっていました。

綺麗前

分解前です。

外装カバーを外しました。

さらに排水の様子が見えるカバーを外しました。カバーの裏側の断熱材も劣化しています。

ポンプ動作中ですので、周りが波打っています。写真ではわかりづらいですが、中が汚れています。

今回エアコンは動作したままでのクリーニングでしたので、上部の基板のカバーを外して、ポンプ用電源コネクタを外して作業します。

ポンプ用電源コネクタを抜いたので、波打ちが止まりました。

排水が溜まる、壁掛け用で言えばドレインパンです。

溜まっていた汚水です。

スライム状の汚れが見えます。

水漏れを起こす原因は

  1. 排水出口の配管が詰まって、ドレインパンがオーバーフローして水漏れした。
  2. フロートスイッチがなんらかの理由で正常に動作せず、溜まっていることを検知できず、ドレインパンがオーバーフローして水漏れした。
  3. フロートスイッチは検知したのに、なんらかの理由で排出ポンプが正常に動作できず、ドレインパンがオーバーフローして水漏れした。


になりますが、3.の場合ですと、ある一定時間経過しても水位が下がらなければエラーとしてエアコンに出力して、エアコンが止まるはずで、それがなかったようなので、2.が原因ではないかと考えられます。

綺麗後

フロートスイッチやポンプ周りをクリーニングしました。

ドレインパンも綺麗になりました。

写真にはありませんが、排出用配管の詰まりを確認するために、サクションポンプとドレン内部洗浄器具 (ドレンスルー)で詰まりのないことを確認しました。

ドレインパンを戻した後、ポンプ用電源コネクタも戻して、水を溜めてスムーズに排出されることを確認しました。

断熱材スポンジは、理想は張替えですが、今回はテープ止めして、劣化した断熱材が中に入らないようにしました。

基板カバーなども含めて戻していきます。

外装カバーも戻しました。